曽田博久のblog

若い頃はアニメや特撮番組の脚本を執筆。ゲームシナリオ執筆を経て、文庫書下ろし時代小説を執筆するも妻の病気で介護に専念せざるを得ず、出雲に帰郷。介護のかたわら若い頃から書きたかった郷土の戦国武将の物語をこつこつ執筆。このブログの目的はその小説を少しずつ掲載してゆくことですが、ブログに載せるのか、ホームページを作って載せるのか、素人なのでまだどうしたら一番いいのか分かりません。そこでしばらくは自分のブログのスキルを上げるためと本ブログを認知して頂くために、私が描こうとする武将の逸話や、出雲の新旧の風土記、介護や畑の農作業日記、脚本家時代の話や私の師匠であった脚本家とのアンビリーバブルなトンデモ弟子生活などをご紹介してゆきたいと思います。しばらくは愛想のない文字だけのブログが続くと思いますが、よろしくお付き合いください。

カテゴリ: 電子書籍

多胡辰敬完全版第4巻が届いた。PXL_20260123_003348687
これで念願の紙書籍化が終わり、しばし感慨に浸ったが、それも一日だけ。
実は私は辰敬が終わったらすぐに次の紙書籍化をしなければならないものがあるのだ。
それが電子小説で発表した『老いて愛して書いた』という新井白石の評伝風の小説。以前にも少し触れたが、文庫時代小説を6本書いた後、もう介護と執筆の両立は無理。しかも自分は本当は『多胡辰敬』を書きたくてそっちを進めていたのだが、紹介する人があって、フリーの編集者から何か書いてみないかと言われた。介護もあるし、もう注文を受けて書くのは無理。ほかにも辰敬という書きたいものもある。でも出版業界に未練はあるし、迷っていると、紹介する人も書いた方がいいと言うので、私は助平心を出してしまった。そして、新井白石が偏屈な意地悪爺さんで、市井の事件を面白おかしく解決する話を書いたのだが、書いている途中からこんなものを書いていていいのだろうかと悩みながらなんとか書き上げた。そんなものが面白いわけがなく、結局ボツになり、私はなんと無駄なことをしたのだろうと悔やんだのだが、その一方ではこれでよかったのだと思っていた。
 実は私は面白おかしい意地悪爺さんの白石を書きながら、こんな白石を書いていいのだろうかと言う思いが、日増しに増していたのだ。白石を主人公にするのだから、当然、白石のことは調べる。著作も読む。そうすると調べれば調べるほど、読めば読むほど、白石の凄さに圧倒され、こんなすごい人を面白おかしい娯楽小説にしてはいけないのではないのだろうかと思うようになったのだ。
 そうなったら、よし、俺が書くとなるのが、己の力を知らない物書きのさが。
 見事に大失敗。
 読んだ人にはみな難し過ぎると言われてしまった。
 新井白石は日本の歴史において五本の指に入る天才である。詩人であり、歴史家であり、文章家であり、あらゆる分野の大学者であり、政治家でもあった。巨人という言葉でしかあらわせない人だった。
まともに挑んで描ける人ではない。そこで、白石と父が偉過ぎたために結婚もできない子供たちをキーワードに小説化したのだが、介護に疲れ、辰敬の進行に焦り、白石にも焦り、志しほどの出来には遠く及ばなかった次第である。
 それは辰敬の小説にも言える。だから紙書籍にするのに14年もかかった。だが、ようやく辰敬を終えたいま、やっと残った白石に力を注ぐことが出来るようになった。群盲象を撫でるになってはいけないが、巨人白石のほんのごく一部分だけでもいいが描けたらいいなと思っている。

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写真では綺麗に写っていたのだが、画像はずいぶんぼやけてしまった。『亡き妻に捧ぐ』の一行を、第一巻を発売した後になって、入れ忘れていたことに気が付く。第一巻を出すのに校正で必死になっていてすっかり失念していたのだ。試し刷りでも気が付かず、第一巻を発売してしまった後になって気が付き、慌てて再度刷り直すのだが、紙書籍の場合は白紙のページを挿入にして一行だけ書き入れる訳にはゆかず、この一行を挿入した全文をPDFにしてもういちど貼り付ける。
私は貼り付けるだけだから楽だけど、紙書籍に約9ヶ月奮闘してくれた後輩はいい迷惑だったと思う。
おかげで、この一行でやり遂げることが出来たと実感する。本当に書き始めた時は、書き上げることができるのかどうか、全く自信がなく、どれくらい時間がかかるのかもわからなかった。書けないままに朽ち果てるのではないかと絶望的になったことも数えきれないくらいあった。
そんな時、私がすることはいつも決まっていた。妻の横に来て、「俺は頑張るぞ」と話しかけることだった。どこまで理解しているか、私が何を書いているのかわかってはいないのだけど、重度の障害でも頑張って生きている妻に約束することで、自分も励まされたのだ。そして、頑張り続ければいつかは必ずできると気を取り直したのである。
介護しながら出版社で書き続けることは無理と一度は筆を折りながら、小説への夢を断ち難く、また介護しながら書く道を選んだ。
あれから12年か13年か。妻が亡くなって4年・・・。
今なら言える。介護する妻がいたから書けたと。妻が懸命に生きる姿が私を励ましていてくれたのだ。いま思う。本当に生きていて欲しかった。どんな姿でも。わかっても分からなくても本を手に取ってほしかった。
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左)試し刷り。表紙の端が切れて白みが出ていた。
右)後輩が綺麗に作り直してくれた。この1㎜2㎜の作業が大変なのだ。
そして、冒頭の『亡き妻に捧ぐ』を挿入してくれた。これは仏壇に供えている。
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1巻に続き、先日、2巻も発売できた。
いま3巻の校正をしている。来年の1月中には全4巻を発売したい。
皆さま、よいお年を。

昨日、朝起きたら発売の連絡がメールで届いていた。さっそく買ったが、実物が届くのは10日なので、実物を見たうえで改めて書きます。
その前に値段について。値段は税込みで1705円です。前にも書籍代の最低価格はAmazonが決めるのでそれ以下の値段はつけられないと書きましたが、その理由が分かりました。
日本の印税は1割ですが、アメリカをはじめとして外国では印税は3割だそうです。Amazonは以前から日本の印税は安過ぎると大変不満に思っていて、日本も欧米諸国と同じ印税にするべきだとの思いを込めて敢えて3割以上の印税分を加えて値段を決めているそうです。これはただ作家の損得だけを考えたものではなく、その背景には作家の創作努力に敬意を表し、作家が創作活動を継続してゆけるように応援しようという出版文化の風土の違いがあります。
だったら日本語の縦書きの小説ももっと簡単に出版できるようにしてくれてと言いたいところですが、出版に関する姿勢に対しては敬意を表した次第です。
1705円はAmazonが決めた最低価格です。これ以上にできるのですがさすがにそこまではできないのでこの額になりました。ご理解ください。

昨日11月28日の午前中に校正刷りが届く。
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24日に依頼して、25日の午前中に再度依頼確認をしたからそこからGO。実質2日で2冊分印刷製本して送って来たのだから随分早いものだと感心する。真ん中の帯には再販禁止の文字が印刷されている。
頑張ってくれたS君も脚本家で小説も書いているので、「この値段でこれだけのものが出来るとは感動しましたよ」と言う。自分の手で初めて作った紙書籍だから嬉しさもひとしお。
私が彼に送った本も今日届き、早速直しの打ち合わせ。
表紙の端に1㎜ちょっとの白身が出ているのでこれを直すのと、目次が入っていなかったので目次頁を作るのが彼の主な仕事。
私は文章と文章の間にところどころ一文字分空白ができているのでそれを詰めたり、漢字になっているところを平仮名に戻したり、随分見直したつもりなのにそれでもまだ間違っているところを訂正したりする。半分ほど進めてピンクの付箋を貼ってあるところが該当箇所。8ヶ所ほどある。この直しをした原稿をS君に送り、目次をつけてからPDFにする。その頃には表紙のずれも直っているはずなので、表紙もPDFにして再度本にしてもう一度校正刷りに出す。ここまで来たのだから一気にやってしまいたい。
S君と話したのだが、なぜここまで大変だったか。理由はただ一つ縦書きでルビつきだったからである。kindleのフォーマットは当然のことながらすべて英語表記で左から右へ読むのがベースになっている。縦書きも出来るようになっているが、現在横書きを使っているのは百数十言語で、縦書きを使っているのはわずか3言語だけ、それも使用されているのはほとんどが日本語らしい。ルビも英語にルビがふってある文章を私は見たことがない。でも私の文章は歴史小説だからルビだらけである。日本で印刷する文章のように小さな文字でぴったり張り付いたように印刷するのはそもそもできないようだ。
だからkindle版ではルビも一行分を使わないといけないようだ。見た目は悪くなるが、苦労を察してご了解ください。
よく、電子書籍の紙書籍化を簡単だと言っている人がWebに書いているが、恐らくこの人たちは横書きでルビもない文章を紙書籍にしているのだと思う。
年内に第一巻発売、頑張ります。

ようやくと言うか、ついにと言うか、やっとこ辰敬紙書籍の試し刷りまで漕ぎつけた。本当は22日の3時からアップする予定だったが、私の代わりに作業をしていてくれた後輩脚本家のS君がSDF化した原稿をどうしても貼り付けられない。前日は朝9時から最後の作業をしていて、簡単に終わると思っていたSDF化で悪戦苦闘。半徹夜して9時間かかって原因判明。彼が使っていたSDFが純正品ではなかったからだとわかり、彼は30日無料の正規のSDFでやり直し、貼り付けはできたのだがタイムオーバーになってしまい、今日、24日の3時に延びていたのだ。
3時になって携帯で連絡あり。今日はアップできると言うが、今日も半徹夜。本の大きさは四六版という普通の本のサイズで、活字の大きさ、行数、一行の文字数も決め、ページ数も354頁のペーパーバックに決めたのだが、余白をとるのに一苦労したと言う。AmazonKindleはアメリカだからすべてインチで計算しないといけないのだ。いちいちミリ単位になおして余白をはかりやっと頁を見ると、どうも頁の内側の幅が狭いような気がして、それを訂正しようとしたのだがどうしてもうまくゆかず、それだけで7時間かかったと言う。結局、力尽きたので勘弁してくれと言うので了解する。原稿をアップした後、見たが我慢できないほどではなかった。
そして、いいいよ作業開始。やり方はこうだ。彼は自分のPCで私の原稿と表紙を使って実際に出版手前まで進めていたので、携帯で私にやり方を教えながら進めると言う方法である。
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左)まずSDF化した原稿をアップしたところ。原稿は単頁で示される。
右)SDF化した表紙と背表紙と裏表紙を一枚の型に貼りつけたもの。表紙はデザイナー。背表紙と裏表紙はS君が作ってくれた。下部がきれてしまっているが、裏表紙の左下にはISDNのバーコードが張り付けてある。いわば本の身分証明みたいなもの。出版社はどこもこのバーコードで取引する。kindleはこれを無料で提供してくれるのだ。
ここまでやって、最後に本の値段を決める。
この小説の場合、印刷コストは914円とわかる。本の値段はこれ以上好きにつけられるのだが、kindleでは印刷コストが914円の場合は最低1523円で出版することが決められているので、1523円以上の値段をつけないといけない。私はきりのいいところで1550円に決めた。2000円を超えたらどうしようと思っていたのでほっと胸を撫で下ろす。
そして、最後に試し刷りを依頼する。試し刷り料金は914円。一週間後ぐらいには届くらしい。それを見て、修正して、もう一度試し刷りすると、年内に発売はちょっと無理かもしれないが目途はついた。来春には4巻が揃うと思うと今から待ち遠しい。

最後にS君に言った。「俺にはできないよなあ」
「はい、絶対にできません」と、絶対にに力を込めて言った。

4月から始めて、彼も仕事があるのでここまで時間がかかってしまったが、とにもかくにも1巻の試し刷りまでは辿り着いた。S君も2巻~4巻は1巻と同じことの繰り返しだからもう楽だと言う。あと残るは3巻。頑張ろう。

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