1日に上京して、2日が葬儀、4日に出雲に戻って来たのだが、その2日の夜、大昔の特撮ヒーロー番組の『人造人間キカイダー01(ゼロワン)』のファンだったと言う人と会う。現在50歳。紹介してくれた人の話によると、6歳の時に熱烈なファンだったそうで、どうしても脚本を書いていた儂に会いたいと仰っていて、自分の方から出雲へ行くとさえ仰っていたそうだ。いくら何でも出雲まで来ていただくのは余りにも申し訳ないので、必ず上京する時があるので、その時にお会いしましょうと言っていたのが、思いがけず上京することになり、お会いすることになったのである。
実はその方、Sさんは車椅子ユーザーで、日本の障害者運動の草分けともいうべき人だったのである。
Sさんの履歴を聞いた時、障害者運動の先頭に立って来た50歳にも『オタク』がいるのかと思ったのだが、ニコニコと車椅子で現れたSさんには厳しい戦いを続けて来た闘士の顔はなく、『オタク』の匂いも微塵もなかった。年齢よりも若く見えるとても温厚な紳士であった。
「会いたかったのですよ。会えてうれしいです」
Sさん、曰く、なぜこんなに会いたいと言い続けたかったかと言うと、若い時、Sさんのよき理解者になるであろう人と会うことを楽しみにしていた時があったのだそうだ。ところが忙しいこともあり、近くにいる人だったのでいつでも会えると思っていたら、その人が不慮の事故で亡くなってしまった。その時以来、会いたいと思った人とはすぐに会わなければならないと思い定めたのだそうだ。
Sさんの若い時と言えば、障害の問題を考え、悩み苦しんでおられた頃だろう。その時の理解者がどれだけ大切な存在だったか。失った哀しみがどんなに大きかったことか。その時の気持ちを思うと、会って嬉しいと喜んでくださる姿を素直に有難く受け止めることが出来たのである。こんな儂でも喜んでもらえて、照れ臭いやら面映ゆいやら、いい歳をした同士が笑顔で沢山の話を楽しんだのであった。初対面とは思えない人だった。
『キカイダー01』は1973年の新潟では夜の8時からの放映だったそうだ。儂も思い出す。あの頃は子供番組を東京でも8時から放映していたのだ。6歳のSさんはどうしても眠くなるので親に眠らないように起こしてくれるように頼むのだが、それでも寝てしまって見逃したことが何度もあって、とても悔しかったと今でも悔しそうに語っておられた。そういう話を聞くと、儂だってもう小学生の高学年だったが、「月光仮面」や「白馬童子」「風小僧」「怪傑ハリマオ」「トンマ天狗」などをどれだけ夢中になってみていたことか。それより小さい時はTVなんてなくて、ラジオの「紅孔雀」に夢中だったことを思い出した。子供番組が宝物の時代が誰にもあったのである。
9歳の時、Sさんは原因不明の病で車椅子となり、施設での生活を余儀なくされる。同じような仲間がいたが皆家に帰りたいと泣いていたそうだ。普通の小学校に行きたかったが特別支援学級に通わざるを得なかった。中学に進級する時はどうしても普通の学校に行きたくて申し込んだら、校長先生が理解ある人で校舎を改造して車椅子でも通えるようにしてくれたそうだ。
大学は早稲田を下見に行くが階段が多くてとても通えない。関西学院を見に行ったら、校内に入った瞬間に「あっ、ここなら通える。仲間がいる」と分かったと言う。スロープがあったのだ。実際に数人の車椅子の学生がいて、Sさんはその人達とともにアメリカから始まった『自立生活運動』を起こしたのである。この時、東京でも『自立生活運動』を起こしたグループがあり、Sさんたちはその後西の拠点となったのである。
1990年ごろは、車椅子で電車に乗る闘いをしていたそうだ。その頃は車椅子で電車に乗ろうとすると、駅員から露骨に嫌がられ、拒否されたと言う。
「車椅子の人間が電車に乗らなくてもいいじゃないか。そういう時代だったんですよ」
Sさん、駅へ行く日は、深呼吸して覚悟を固めて家を出たそうだ。駅員と喧嘩をしに行くからだ。
1990年の自分を思い返す。そんな闘いが行われている事なんか何も知らなかった。
あっという間に時間が過ぎ、地下鉄都営新宿線の新宿3丁目の駅へ。
車椅子は早いと聞いていたが、Sさんの車椅子の早いこと。大股で急がないと追いつかない。人込みもすいすいと交わして。「僕たちは東京中の駅のエレベーターを知っているんですよ。仲間と情報交換してるんです」
どの駅にも駅専用のエレベーターがあるわけではない。新宿三丁目も。そういうところは民間のビルのエレベーターを利用して行くのだそうだ。
途中までご一緒して別れる。
「今度、出雲に来てください。うちにはホンダのN-BOX+がありますから」
「はい、必ずゆきます」
何が嬉しかったかと言うと、この年になって出会いがあったことが嬉しかった。
クラウドファンディング「誰でも安心して入れるお店を増やしたい!バリアフリーな街づくり」の結果
2月29日に終了。
目標62万円で始めましたが、最終的に1,056,000円(達成率170%)となりました。
以前、記事にした、車椅子で生きる若者の映画『インディペンデント リビング』、NHKが取材に来たそうです。
「おはようニッポン」で放映されるそうです。12日と聞いた記憶があるのですが、その時は覚えたつもりだったのですが、間違っていたらゴメンナサイ。
実はその方、Sさんは車椅子ユーザーで、日本の障害者運動の草分けともいうべき人だったのである。
Sさんの履歴を聞いた時、障害者運動の先頭に立って来た50歳にも『オタク』がいるのかと思ったのだが、ニコニコと車椅子で現れたSさんには厳しい戦いを続けて来た闘士の顔はなく、『オタク』の匂いも微塵もなかった。年齢よりも若く見えるとても温厚な紳士であった。
「会いたかったのですよ。会えてうれしいです」
Sさん、曰く、なぜこんなに会いたいと言い続けたかったかと言うと、若い時、Sさんのよき理解者になるであろう人と会うことを楽しみにしていた時があったのだそうだ。ところが忙しいこともあり、近くにいる人だったのでいつでも会えると思っていたら、その人が不慮の事故で亡くなってしまった。その時以来、会いたいと思った人とはすぐに会わなければならないと思い定めたのだそうだ。
Sさんの若い時と言えば、障害の問題を考え、悩み苦しんでおられた頃だろう。その時の理解者がどれだけ大切な存在だったか。失った哀しみがどんなに大きかったことか。その時の気持ちを思うと、会って嬉しいと喜んでくださる姿を素直に有難く受け止めることが出来たのである。こんな儂でも喜んでもらえて、照れ臭いやら面映ゆいやら、いい歳をした同士が笑顔で沢山の話を楽しんだのであった。初対面とは思えない人だった。
『キカイダー01』は1973年の新潟では夜の8時からの放映だったそうだ。儂も思い出す。あの頃は子供番組を東京でも8時から放映していたのだ。6歳のSさんはどうしても眠くなるので親に眠らないように起こしてくれるように頼むのだが、それでも寝てしまって見逃したことが何度もあって、とても悔しかったと今でも悔しそうに語っておられた。そういう話を聞くと、儂だってもう小学生の高学年だったが、「月光仮面」や「白馬童子」「風小僧」「怪傑ハリマオ」「トンマ天狗」などをどれだけ夢中になってみていたことか。それより小さい時はTVなんてなくて、ラジオの「紅孔雀」に夢中だったことを思い出した。子供番組が宝物の時代が誰にもあったのである。
9歳の時、Sさんは原因不明の病で車椅子となり、施設での生活を余儀なくされる。同じような仲間がいたが皆家に帰りたいと泣いていたそうだ。普通の小学校に行きたかったが特別支援学級に通わざるを得なかった。中学に進級する時はどうしても普通の学校に行きたくて申し込んだら、校長先生が理解ある人で校舎を改造して車椅子でも通えるようにしてくれたそうだ。
大学は早稲田を下見に行くが階段が多くてとても通えない。関西学院を見に行ったら、校内に入った瞬間に「あっ、ここなら通える。仲間がいる」と分かったと言う。スロープがあったのだ。実際に数人の車椅子の学生がいて、Sさんはその人達とともにアメリカから始まった『自立生活運動』を起こしたのである。この時、東京でも『自立生活運動』を起こしたグループがあり、Sさんたちはその後西の拠点となったのである。
1990年ごろは、車椅子で電車に乗る闘いをしていたそうだ。その頃は車椅子で電車に乗ろうとすると、駅員から露骨に嫌がられ、拒否されたと言う。
「車椅子の人間が電車に乗らなくてもいいじゃないか。そういう時代だったんですよ」
Sさん、駅へ行く日は、深呼吸して覚悟を固めて家を出たそうだ。駅員と喧嘩をしに行くからだ。
1990年の自分を思い返す。そんな闘いが行われている事なんか何も知らなかった。
あっという間に時間が過ぎ、地下鉄都営新宿線の新宿3丁目の駅へ。
車椅子は早いと聞いていたが、Sさんの車椅子の早いこと。大股で急がないと追いつかない。人込みもすいすいと交わして。「僕たちは東京中の駅のエレベーターを知っているんですよ。仲間と情報交換してるんです」
どの駅にも駅専用のエレベーターがあるわけではない。新宿三丁目も。そういうところは民間のビルのエレベーターを利用して行くのだそうだ。
途中までご一緒して別れる。
「今度、出雲に来てください。うちにはホンダのN-BOX+がありますから」
「はい、必ずゆきます」
何が嬉しかったかと言うと、この年になって出会いがあったことが嬉しかった。
クラウドファンディング「誰でも安心して入れるお店を増やしたい!バリアフリーな街づくり」の結果
2月29日に終了。
目標62万円で始めましたが、最終的に1,056,000円(達成率170%)となりました。
以前、記事にした、車椅子で生きる若者の映画『インディペンデント リビング』、NHKが取材に来たそうです。
「おはようニッポン」で放映されるそうです。12日と聞いた記憶があるのですが、その時は覚えたつもりだったのですが、間違っていたらゴメンナサイ。
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