今回上京した目的の最後が『ダンサナクセイバー』を作っている人達の脚本および製作の相談に乗ること。今、日本国中にいわゆるご当地ヒーローが輩出しているが、この『ダンサナクセイバー』を作っているのは『NPO法人STEP江戸川自立生活センター』で働いている人たちである。

NPO法人自立生活センターは全国に展開する組織で、障害者の自立生活を支援しているが、障害者の利益を図ることだけを目指しているのではない。その活動を通して障害者とともに暮らし、よりよい社会を作ることを目指している。
この運動が始まったのはアメリカで1970年。自立の概念は普通は経済的自立や身辺の自立だけど、この運動はその概念を変えて、必要な支援はいくら受けてもいいから、自分がしたいと思う生活を自分で決めると言うものである。たとえば、重い障害を持った人が50分かけて着替えるとしよう。昔は頑張れと応援し訓練したのだが、この運動ではそう考えない。人の力を借りていいから着替えなんて5分で片づけてしまい、残りの45分をより人間らしく使おうではないか。こう言う例をあげれば分かりやすいであろうか。日本ではアメリカで学んだ人が1980年から始めたそうだ。
だからこの運動はただ介助するだけでなく、障害当事者が中心となって社会全体も変えて行くことをめざす。『ダンサナクセイバー』もその活動の一つとして、啓発活動として始まったのである。分かりやすく言えば、差別や無理解をなくして行こうということをテーマとしているのだ。
そういう歴史を知ったら、儂でよければすこしでもお役に立ちたいと思うではないか。

スタッフが集まって会議。
シナリオの苦闘の跡がホワイトボードに張りだされ、ああでもない、こうでもない。
スタッフの一人には難聴で介助の仕事をしている人もいるので、別なスタッフが難聴の人の為に参加者の会話を全部パソで同時通訳的に打ち出しもする。シナリオの会議からして普通とは違うのだ。
パソを打つ人から、儂の喋り方が早いのでゆっくり喋れと言われて戸惑う。ゆっくり喋るとかえって何を喋っているのか分からなくて往生する。でも障害のある人と仕事をするとはこういうことなんだなあと実感した次第。こんな経験はこの年になって初めて。とてもいい経験だった。
スタッフの一人は介助の予定が入っているからと、30分しか参加できず、途中で退出してしまった。
それぞれ介助の仕事を持っているので、集まってシナリオの話をするだけでも大変なのだ。
啓発活動のためのビデオをユーチューブで見たが、ヒーローの衣装を作り、格闘アクションの振り付けをしたり、どれだけ手間ひまがかかったかは一目瞭然。何とかこの手作りの良さ(=情熱)を伝えられたらと思った。
洗練やテクニックは必要ない。というか、障害を扱うテーマはただのシナリオライターをやっただけの人間が簡単に入り込み、偉そうなことは言えないのである。当事者が自信を持って進めればよいと励ます。何か困ったことがあれば相談に乗ることを約束する。
ここはどこの事業所も敬遠するような重い障害を持った人を受け入れている。24時間介助の障害者もいるそうだ。しかも将来的には、政府は予算を削ろうとしているし、介護や介助する人の数も今でももう足りなくて困っている。
そんな状況でもう何年も『ダンサナクセイバー』を続けている人たちには頭が下がる。儂も出来得る限りの協力は惜しまない。作品が出来上がったら、ユーチューブにアップされますから、その時は見て下さい。






8月14日


けだが、それでも十数人が賑やかに、焼肉、焼きそば、焼き鳥、フランクフルト、野菜などに舌鼓を打つ。
