暮れに紹介した『素敵な古本屋さん』へ行って来た。このお店で本を買う見ず知らずの人のために、これまた見ず知らずの人間が100円券や200円券などの割引券を作っておいて自由に使って下さいと言うシステムをとっているお店である。割引券を作る人間は割引券分のお金を払うわけだから一文の得にもならない。持ち出しである。でもこれは本好きが本好きのためにちょっとでも役立つことが嬉しくて始まったシステムなのである。高校生や中学生、子供たちのために。幼児のための絵本もある。お年寄りだって読むだろう。時代小説や推理小説など同じジャンルの本を読んでくれる人もいるだろう。そんな人たちが自分が発行した券を使って本を読んでくれることにひとり満足するのである。
私は暮れに500円券を使って孫の絵本を買った時、500円券の裏に御礼と次は自分も券を作ると記した。だが年末で本屋も休みに入るし、私も忙しくてその場ですぐに作れなかったので年明けに作るつもりだったのであるが、実はそこにはあるおもいがあったのである。それはこの券を天国の妻からの贈り物にしたいという思いであった。
妻が死んでからもうすぐ半年になる。供養して来たし、仏壇に手を合わせたり、近況を報告したり、今日も一日頑張ると言って出かけたりして来たが、心の底では納得していた訳ではなかった。本当に供養になっているのだろうか。弔ったことになっているのだろうか。どうしたら本当の供養になるのだろうか。心から納得できる供養の仕方はないのだろうか。ずっと考えていた。そんな時にこの券に出会ってはっと思い当たったのである。
妻は死んだけど妻の思いは残してやることが出来るのではないか。そうすることが自分に出来る供養の仕方ではないかと思ったのだ。そして、妻から本好きの人へこの券を贈ることを思いついたのだ。
妻は本好きだった。子供たちを図書館に連れて行っては山のように本を借りていた。図書館の司書がこんなに本を読む子は見たことがないと言うほど借りていた。
券はfrom〇〇からfor〇〇へと記す様式になっているので、私はfrom『本が好きだった天国の妻からの贈物』for『この本屋さんへ来たすべての人へ』と記した。値段は500円で20枚作った。


左)文章が長くなったので少し短くした券もある。
右)このような券を作った人は何人もいて、50円から100円、200円、300円の券がレジの横のボックスに入っている。たまたま私は前回500円券を使わせてもらったのだ。使った券の裏側には使った人のメッセージが書き込まれて隣にまとめてある。みな、喜んでいる。


本町商店街を抜けた手前から二軒目。店名は『句読点』。正月明けに初めて来たら本も増えて充実していた。奥の部屋で金づちの音がしていた。店主が店を拡張するために作業中だった。若い夫婦の古本屋である。ここを抜けると、前方左手に出雲そば羽根屋本店がある。

横断歩道があるところが羽根屋。1月14日は小雨だった。
たまたまこの日の夜のニュースで岐阜の駄菓子屋さんのニュースをやっていた。大人たちが作った100円券を使って高校生以下の子供たちがただで駄菓子を買えるというニュース。使った子供たちは券を作った人に御礼を書く。それを読んだ飲み屋の赤い顔をしたおじさんが「嬉しいね」と顔をほころばせていた。子供の礼状の中には「大きくなったらぼくもこの券を作ります」と言うのもあった。
去年の暮れ、別なニュース番組で長崎の駄菓子屋さんを舞台にした同じようなニュースをやっていた。
どうやら私たちの知らない所でこのようなシステムはひそかに広がっているのかもしれない。
私は暮れに500円券を使って孫の絵本を買った時、500円券の裏に御礼と次は自分も券を作ると記した。だが年末で本屋も休みに入るし、私も忙しくてその場ですぐに作れなかったので年明けに作るつもりだったのであるが、実はそこにはあるおもいがあったのである。それはこの券を天国の妻からの贈り物にしたいという思いであった。
妻が死んでからもうすぐ半年になる。供養して来たし、仏壇に手を合わせたり、近況を報告したり、今日も一日頑張ると言って出かけたりして来たが、心の底では納得していた訳ではなかった。本当に供養になっているのだろうか。弔ったことになっているのだろうか。どうしたら本当の供養になるのだろうか。心から納得できる供養の仕方はないのだろうか。ずっと考えていた。そんな時にこの券に出会ってはっと思い当たったのである。
妻は死んだけど妻の思いは残してやることが出来るのではないか。そうすることが自分に出来る供養の仕方ではないかと思ったのだ。そして、妻から本好きの人へこの券を贈ることを思いついたのだ。
妻は本好きだった。子供たちを図書館に連れて行っては山のように本を借りていた。図書館の司書がこんなに本を読む子は見たことがないと言うほど借りていた。
券はfrom〇〇からfor〇〇へと記す様式になっているので、私はfrom『本が好きだった天国の妻からの贈物』for『この本屋さんへ来たすべての人へ』と記した。値段は500円で20枚作った。


左)文章が長くなったので少し短くした券もある。
右)このような券を作った人は何人もいて、50円から100円、200円、300円の券がレジの横のボックスに入っている。たまたま私は前回500円券を使わせてもらったのだ。使った券の裏側には使った人のメッセージが書き込まれて隣にまとめてある。みな、喜んでいる。


本町商店街を抜けた手前から二軒目。店名は『句読点』。正月明けに初めて来たら本も増えて充実していた。奥の部屋で金づちの音がしていた。店主が店を拡張するために作業中だった。若い夫婦の古本屋である。ここを抜けると、前方左手に出雲そば羽根屋本店がある。

横断歩道があるところが羽根屋。1月14日は小雨だった。
たまたまこの日の夜のニュースで岐阜の駄菓子屋さんのニュースをやっていた。大人たちが作った100円券を使って高校生以下の子供たちがただで駄菓子を買えるというニュース。使った子供たちは券を作った人に御礼を書く。それを読んだ飲み屋の赤い顔をしたおじさんが「嬉しいね」と顔をほころばせていた。子供の礼状の中には「大きくなったらぼくもこの券を作ります」と言うのもあった。
去年の暮れ、別なニュース番組で長崎の駄菓子屋さんを舞台にした同じようなニュースをやっていた。
どうやら私たちの知らない所でこのようなシステムはひそかに広がっているのかもしれない。
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