16日。儂と助っ人に来た妹と父と母、全員インフルエンザと判定される。
経過はと言うと、儂の鼻水が出始めたのが12日の土曜日。「古文書」の会が終わった4時過ぎでは病院はどこもやっていない。仕方ないので、鼻水に効くという「ストナ」を購入。
翌13日の日曜日は一晩で鼻水はとまったが、熱が出て、つらい。夕方、妹が出雲駅に着くも迎えに行けず、タクシーで来てもらう。食事作りは妹が救ってくれるも、熱は一進一退。
14日も37度台をうろうろしてなかなか平熱に戻らない。生憎連休で医者は休み。「ストナ」を飲み続ける。
15日の朝、医者に行こうと思っていたら、36度台に戻る。普通、これくらいで風邪は治るので、やっと治ったと思いこむ。3日間寝る生活に飽きていたこともあり、「ストナ」もやるなあと意気揚々と外出。ところが、
16日の明け方、38度の熱がぶり返す。治ったと思っていたので、「何じゃ、ストナは」と悪態つくも、さすがに病院へ行かざるを得ない。「昨日行っておけば…」と悔やんでいると、妹も頭が痛いと言う。そこで二人一緒に病院へ行く。混んでいて待たされる。鼻水を検査され、「A型だよ」「えっ、僕インフルエンザの予防注射をしましたよ」「予防注射してもインフルエンザにはなるけん」あっさり言われて、「タミフル」5日分と葛根湯を14日分出してもらう。
妹に「お兄ちゃんにインフルエンザをうつされた」とぶつぶつ言われ、肩身の狭い思いをして帰宅したら、父が37度5分熱があると言う。丁度その日は父母の訪問医の診察日。先生検査して「A型ですね」。母だけ一人平熱だが、先生は「インフルエンザに罹っていると考えて薬を出しておきましょう」
3人完全インフルエンザ、1人隠れインフルエンザとなった次第。
土日月の三連休が今になって恨めしい。もっと早く病院へ行っていれば。全く無駄な三日間だった。「ストナ」を武器にインフルエンザ相手に勝てるはずのない戦いをしていたのだから。
妹が傷口に塩を塗るように「お兄ちゃんが家族全員をインフルエンザにした」と恨むも、じっと耐えるしかない儂であった。
ところが、よくよく話を聞いてみると、父は何日も前から鼻水が出てたと言う。咳もしていたと言う。
親父がデイサービスで貰って来たのではないかと、親父犯人説を唱えるも妹は今更どっちでもいいそうな。妹は予防注射を受けていない。儂ら3人は受けている。受けていない妹は儂らよりちょっと重そう。気の毒だがこればかりは今更どうしようもない。
妹と分担して、家事は妹、買い物は儂。親父の世話も儂が中心にやる。
ところが、16、17日と父の体力が失せる。熱はさほどでもないのだが、インフルのせいか身体に力が入らず、昨日まで歩行器に捉まって歩けたのに、16日からはベッドから立ち上がることが出来ない。すぐ目の前のポータブルトイレまでも歩行器で行けない。ポータブルにうまく座れず、腰砕けでしりもちをつく始末。ベッドにたどり着いてもベッドに寝ることが出来ない。トイレの往復にはいつもそばについて支えていないといけなくなる。しかも頻尿で、ベッドに戻った途端、Uターンしてトイレに行く。ほんと勘弁してほしい。
16日の夜は、何度も起きて、部屋を見に行く。深夜2時、トイレの前で尻もちをついている。起こして寝かせる。
17日の朝7時過ぎに妹が見に行ったら、ベッドに横たわっているが、下半身はベッドから落ちたままの姿でいたと言う。
妹と協議して、17日の夜からはオムツにする。オムツだと自分で脱いだりつけたりできないから、もうトイレには行くなと引導を渡す。そうしないと夜中まで父のトイレの手伝いにはとても付き合えない。一日中オムツだと寝たきりになるので、日中は紙パンツで夜だけオムツとする。
17日の夜は2時過ぎにパット交換をする。
オムツのお陰で、ベッドやトイレが汚れたりすることはなくなったが、18日には父の具合が夕方から急速に悪くなる。儂は「タミフル」5日分だが、父の訪問医は「ゾフルーザ」と言う新薬を出してくれる。一回飲めばいいだけの優れものだと思ったのだが、3日目になって副作用的なものが出て来たのか完全に食欲をなくしてしまう。何やらうわ言も続く。それでもほかの薬を飲ませるためには、何かを食べさせないといけない。妹とあれこれ試み、やっとリンゴのすりおろしを食べさせる。
この日も下着上下を汚してしまう。夜の8時だったけど、もうたまらんとオムツにする。
オムツをしながら考える。長い間、妻のオムツをして来たが、とうとう父のオムツをする日が来るとは。今は妹がいるからいいが、妹が帰り、もう一人の妹が来るまでは一人でやらないといけない。考えただけで目が回りそう。
儂にとって最大の問題は、これでは妻の外泊が出来なくなることである。外泊だけはさせてやりたいのに。それが儂の夫としての最低限の務めだと思っていたのに…
他にやりたいことも一杯ある。全部諦めるしかないのか。父も来月97歳。先は長くないのだから、すべてを投げ打って、介護に専念するべきか。
息子にオムツの世話をされて「すまん」と言うが、本当はどう考えているのか。インフルエンザが治った時点で話し合わないといけないだろう。