JAC(ジャック)とは、JAPAN ACTION CLUBのことである。
何十年も昔に、俳優の千葉真一が設立したアクション俳優の養成所であるが、今の若い人は千葉真一と言っても、名前ぐらいは知っていても映画やTVは見たこともない人が多いいのではなかろうか。新田真剣佑(マッケンユウ)のお父さんと言えば、若い人は分かるだろうが、逆に年寄りは「何じゃ、それ」であろう。
なぜ急にJACのことを書いたのかと言うと、先にご案内した『ごごあめプロュースのクライマガコのための遁走曲』の出演者の大政明日香さんが元JACと作演出の吉永亜矢さんから教えられたからである。JAC出身者は大勢いるので珍しくもなんともないのだが、実は意外なところで明日香さんと縁があることが分かったのである。
儂は昔戦隊シリーズという特撮番組の脚本を書きも書いたり、10年間も書いた。そのシリーズの終わりごろに、『高速戦隊ターボレンジャー』なるものを書いた。
その登場キャラクターの中に『妖精シーロン』という可愛い女の子を登場させた。5、6歳くらいの外人の女の子が演じたような記憶がある。
その当時から、ヒーローショーが日本中で演じられていた。そのヒーローショーの聖地と言えば後楽園である。もちろんヒーローのスーツに入って演じるのはJACである。その後楽園で『ターボレンジャーショー』を公演していた時、何と明日香さんは『妖精シーロン』を演じていたと言うのだ。
何年前のことだとは言うまい。
儂はJACにいたと言うだけで無性に応援したくなったのである。
JACに入っても、誰もがアクションスターになれるわけではない。そのほとんどがスタントマンとなる。主役の身代わりで危険なアクションをこなす。変身物ではヒーローのスーツを着てアクションをする。ヒーローの代りならまだいい。ぞろぞろ出て来る悪の兵隊役などになったら大変だ。冬でも海に飛び込まなければならない。
儂はそういう番組に関わっているうちに、いつしか彼らが好きになっていた。実際彼らは皆いい連中だった。子供番組と言うのは、アクションだけではない。造形屋さんに行けば、シンナーの臭いの中で怪獣作りに夢中の若者がいたし、特撮にも模型を作るのに必死の若者がいた。ピアノ線で吊ったメカを目の色を変えて操っていた。
その若者たちの上にはベテランと言われる大人たちがいた。プロフェッショナルである。彼らもまた若者たち以上に真剣に子供番組に取り組んでいた。真剣に取り組むことが若者たちを育てることであり、将来は後継者になってくれることを願っていたのだ。儂が大好きな『徒弟奉公』の世界があった。厳しい上下がありながら、限りない愛情を降り注ぐ世界。儂は今でも人を育てる基本は『徒弟奉公』だと思っている。
だから、師匠を持たない人を信じない。
JACは養成所だが、危険を伴う世界だから、普通の学校とは違う。師匠は絶対である。その代わり師匠も命がけで教える。明日香さんも女でありながら、そういう世界で育ったのだと思う。だから好きだし。(会ったことないけれど)。だから信じるし、応援するのだ。どうか、皆さんも、時間が許すなら、観て下さい。もう一度宣伝しますね。
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昔『ターボレンジャー』を書いていた時、後楽園でショーをやっていた方のことは全然知らなかった。それが、今になってこんなかたちで巡り合うとは、これだから人生は面白い。今回は観に行けないけれど、いつか必ず観に行きます。