10年くらい前に若い韓国人ゲームクリエーター達と知り合った。日本語ができる若者がいたので、話をしているうちに、日本側の誰かが私が昔科学忍者隊ガッチャマンの脚本を書いていたと言った。
その瞬間である、どよめきが上がり、若者達の目の色が変わるや、一人は突然背中を向けて、サインしてくれと言う。大切な服にそんなことは出来ない。サインなんてしたこともない。それだけは勘弁してくれと断ったが、その若者はすごく残念がった。
日本語のできる若者に聞いたら、ガッチャマンは韓国でも大人気で皆ガッチャマンを見て育ったのだと言う。皆、韓国のアニメと信じて疑わずに夢中になっていたのだそうだ。ところが、ある日、突然、日本のアニメであることが分かった。
「その時のショックがどれだけ大きかったか。先生、分かりますか……」
衝撃的だったらしい。天地がひっくり返るほどの驚き。その時の気持ちをどう表現していいか分からないほどのショックだったと。また、そう語る彼の顔があまりにも悲しそうだったので、こっちが気の毒になったほどであった。
こう言って慰めてやった。
「そう言うな。俺だって、力道山が日本人ではないと分かった時のショックは大きかったんだぞ」
戦後の日本プロレスのヒーローの話をしてやったが、どれくらい理解してくれたか。
最後は日本語と韓国語でガッチャマンの大合唱をした。