曽田博久のblog

若い頃はアニメや特撮番組の脚本を執筆。ゲームシナリオ執筆を経て、文庫書下ろし時代小説を執筆するも妻の病気で介護に専念せざるを得ず、出雲に帰郷。介護のかたわら若い頃から書きたかった郷土の戦国武将の物語をこつこつ執筆。このブログの目的はその小説を少しずつ掲載してゆくことですが、ブログに載せるのか、ホームページを作って載せるのか、素人なのでまだどうしたら一番いいのか分かりません。そこでしばらくは自分のブログのスキルを上げるためと本ブログを認知して頂くために、私が描こうとする武将の逸話や、出雲の新旧の風土記、介護や畑の農作業日記、脚本家時代の話や私の師匠であった脚本家とのアンビリーバブルなトンデモ弟子生活などをご紹介してゆきたいと思います。しばらくは愛想のない文字だけのブログが続くと思いますが、よろしくお付き合いください。

カテゴリ: 障害を考える

シェアします。
国連障害者権利条約は「障害者が本来かなえられるべき権利を守ろう」と言う条約で、古くは「子供の権利条約」「女性の権利条約」などが成立した流れに沿って出来たもので、日本政府は2014年に批准しました。8年後の2020年に日本政府が条約を守っているかどうかの審査が行われる予定だったのですが、コロナで延期になり2022年8月に審査が行われました。これは公開で行われましたが、その前に非公開で日本の障害者の生の声を審査委員が2日間聞き取り調査をしました。審査委員はこの聞き取りをもとに日本政府の審査をするわけです。
今回シェアするのはその「非公開」の障害者への聞き取り審査に係わった事務局メンバーのブログです。
障害者への聞き取りがなぜ「非公開」かと言うと、世界には独裁的国家があるので発言者の安全を守るためなのだそうです。
日本からは100人以上の障害者がジュネーブに行ったそうでその熱意に国連の審査委員はこんな大勢が参加する国はないと驚いたそうです。ALSの代議士も参加したのですが、日本にはALSの代議士がいるのかとも驚かれたそうです。
日本の障害者の権利が十分に保証されたものでないことは我々には常識です。国連の審査委員が日本の障害者の熱意に驚いたと言うことは、逆に言えばそれだけ日本の障害者が現実の差別や無知を身を持って切実に感じていることのあらわれではないのかなと思いました。

でーそ日記:United:国連障害者権利条約 初回対日審査 in ジュネーブ振り返り (dreamlog.jp) 

障害者の活動に無関心な人が多いのが現実だと思います。身近な問題に取り組む人たちの声をこうして結集する活動が行われていることを知ってもらいたくてシェアしました。


「わたしが人間であるために」の刊行記念のオンライン対談が行われた。
儂はメールを開いておいたら主催者からメールを送られてくるのでそれをクリックすればいいだけのことと思っていたら、昨夜、主催者から手続きをとっていない方はナンチャラカンチャラああせいこうせいと言ってくる。気が付いたのが遅かったので、今朝、対談の準備に忙しい娘に聞いたら、7月10日に来ているはずのメールに「てつづき」をするところがあるという。あわてて10日のメールを見る。その時はまだ時間的に早いから後でやろうと思っていて忘れていたのだ。手続きは指定場所をクリックしてメールアドレスを書き込むだけ。
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そうすると上記のような画面になる。
10時まで時間があったので、親バカは仏壇の前に座り、亡き父とご先祖様に娘があがらずにうまくできますようにと手を合わせる。ITは苦手なのでとてもすごいことをやっているように思ってしまうのである。それに、我が娘は子供の頃から自他ともに認めるチキンハートだったのである。
10時になって開始。
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右下がジュディ。右上が娘。左下は手話通訳。左上は文字通訳。並行して同時通訳。司会は二人の障害者。時間がかかるところもあるが、ジュディはどんな会議でもどんなに時間がかかってもすべての障害者が参加できるようにしていたそうだ。その精神はこのささやかなオンライン対談でも貫かれる。アジアも含めて260人ほどの人が参加したそうだ。
生ジュディを見たのはもちろん初めて。本の中にこの人が「we shall overcome」の歌声が聞こえてきたことを書いていたが、儂も同じ時代に「we shall overcome」を歌ったこともある。同年齢なのである。
懐かしさ以上にこの人のすごさを思い知らされた本であった。
対談が終わった後半は質問への答えであるが、ジュディの望みは「この本によって多くの人が人生を続けてくれることです」と言った時、儂の読み方は間違っていなかったと嬉しくなった。
ジュディの言う「わたしたちは」障害者だけではない、すべての人々を指しているのだ。
若い障碍者へのアドバイスを求められて
「他の運動にもかかかわれ」と言ったが、これはそういう人だからこそ言えた言葉。凄みさえ感じた。本当に同じ年だなんて。
右の写真はこの対談に参加した人たちの嬉しそうな顔。

明日7月26日「わたしが人間であるために」ジュディス・ヒューマン著、曽田夏記訳(現代書館)が出版されます。
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訳者の名を見て頂ければわかりますように実は私の娘でございます。親バカに免じて宣伝させて頂きたく記事に致しました。著者は日本では一般的には知られていませんがアメリカでは障害者の公民権運動の先頭に立って闘った有名な人です。私たちと同じ団塊の世代です。同年齢の障害を持ったアメリカ人の女性が同じ時代にアメリカではこのような闘いをしていたのかと今になって知り、こういう人を知らなかったこと、知ろうともしなかったことに忸怩たる思いを抱きながら読了いたしました。そして、今はこう思っています。人生に遅すぎるということは無い。なぜならこの本には励まされ勇気づけられ背中を押され前を向いて生きてゆこうという気持にさせてくれる力があったからです。読んでよかったと必ず思わせてくれると思います。
ところで、この本は残念なことに発行部数は少なく、必然的に値段も高くなります。2500円+税。そこで私は高校時代の友人や脚本家時代の後輩には図書館にリクエストして借りて読んでくださいと頼んでおります。図書館に購入してもらえばより多くの人の目に触れる機会ができるからです。友達はいいもので皆この暑いさなか図書館に足を運んでくれてリクエストしてくれました。ただし、図書館も色々でその場ですぐ発注してくれたところもあれば、購入を約束してくれても遅くなるとか、これから検討するので購入できるかどうかわからないところもあります。お手数をおかけしますがよろしくお願いします。
なお、また7月31日(土)にはアメリカのジュディさんとオンラインで日本語版刊行記念の対談のイベントが行われます。朝10時から11時まで訳者との対談。(無料、同時通訳・手話通訳・文字通訳等あり)
その後、12時までは視聴者からのジュディさんへの質問をする時間が設けられています。興味がある方は下記をクリックしてください。
参加の仕方がわかります。

https://www.dpi-japan.org/blog/events/210731_judith_heumann/

昨夜、間違ったアドレスを載せてしまったので、正しいアドレスを載せました。
ここをクリックしてウエブナー登録をしてください。

視聴するためにはZOOMをダウンロードする必要があります。私は娘の手ほどきを受けてZOOMをダウンロードしました。後は上記画面から登録を済ませておけば、当日メールが来ますのでそれをクリックすれば二人の対談を視聴できる仕掛けだそうです。ZOOMを使ってオンラインで仕事をしたことのない人間にとっては敷居が高そうでしたが、練習してみたらそんなに難しいことでもなさそうです。

また娘の最新情報では「BEING HEUMANN」はハリウッドで映画化されることが決まったそうです。製作は「アップル オリジナル フィルム」主演女優はALI STROKER、トニー賞を受賞した車椅子の女優だそうです。2、3年後には映画館でも観られることになりそうです。
今のうちから原作を読んでおくのもいいですね。どんな映画になるのか楽しみが増えました。

面会制限を嘆いた記事を書いたら下記の記事を送ってくれた人がいたので紹介します。孤独とか孤立と言う言葉は安易に使って来たが、『孤絶』と言う言葉は儂の記憶では使ったことがない。

外出自粛が解除されても 「筋ジス病棟」の孤絶 ネット環境の保障を緊急要望

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 外出自粛が解除されても、外出させてもらえない人たちがいる。年数回の外出で、人生のほとんどを過ごす人たちにとって、ネットは社会とつながる命綱だが、ケアする側の都合で著しく制限されている。兵庫県や東京都などで地域生活を送る障害者らでつくる「筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト」(事務局・京都市南区)がこのほど、新型コロナウイルス対策で、病院の面会が制限される中、全国の国立病院機構「筋ジス病棟」のインターネット環境の向上を求める緊急要望書を、厚生労働相に送った。

全国に26カ所ある「筋ジス病棟」

 全国26カ所の「筋ジス病棟」には、筋肉が徐々に動かなくなる筋ジストロフィーなど神経難病の患者ら約1800人が暮らす。たん吸引など全介助が必要で、人工呼吸器を使う人も発語などコミュニケーションに障害がある人も多数を占める。10年以上入院している人が4割以上で、20年、30年と人生のほとんどをベッドで過ごす人も多い。

 同プロジェクトは、地域移行を目指す障害者運動からも取りこぼされてきた、筋ジス病棟で暮らす人たちを支援しようと、京都市で2018年に開かれたシンポジウムを機に立ち上がった。障害のあるメンバーが全国の筋ジス病棟を訪問するなどし、実態調査と支援を重ねている。

 緊急要望書は、筋ジス病棟によっては、病院側が手足の不自由な入所者を車イスに移乗して共有パソコンの部屋まで連れていかなかったり、看護師らがベッド上でパソコンやマウスなど周辺機器のセットをしなかったり、インターネット環境があっても介助を十分に受けられていない、と指摘する。

 「神経筋疾患の障害を抱える人はミリ単位の体位調整が必要ですが、忙しく立ち回る看護師に伝えることは非常に困難です。結果、外部との交流を制限され、365日24時間、毎日をベッド上で過ごし続ける人が現にいるのです。人としての当たり前の権利が保障されていません」と要望した上で、個々の障害者の身体状況に合わせた適切な意思伝達装置、通信機器、周辺機器を利用できる体制づくりや、遠隔ミーティング手段や通信中のプライバシー確保を求めている。

 同プロジェクトによると、新型コロナウイルス対策で、ほとんどの筋ジス病棟で面会が制限され、家族や支援者の立ち入りさえ許可されなくなったという。メンバーが連絡を取ったところ、全国の複数の病院に入所している筋ジス患者らから、「困っている」との声が寄せられた。

筋ジス病棟を訪問する大藪さん

 プロジェクトメンバーで、脊髄性筋萎縮症(SMA)の大藪光俊さん(26)=京都府向日市=は、筋ジス病棟がある国立病院機構宇多野病院(京都市右京区)に隣接する鳴滝総合支援学校に通った。同校は宇多野病院で長期療養する筋ジスの児童生徒らを対象とする病弱養護学校だった歴史があり、級友たちが今も筋ジス病棟に暮らすことから、大藪さんは車イスで市バスや電車を乗り継ぎ、支援や聞き取りを続けている。

 「自分はたまたま在宅生活を送り、大学にも通い海外留学もしたけれど、友達たちは社会から隔離されたまま。それがずっと、心にある」と、大藪さんは語る。大藪さんはヘルパーの介助を受けて1人暮らしを送っている。「この状況下ではインターネットを利用したオンラインのやりとりしか手段はありません。病棟の外の世界ではインターネットを利用した遠隔コミュニケーションが進められています。筋ジス病棟でも、同じような機会の保障がされるべき」と、大藪さんは訴える。

 「そもそも新型コロナウイルス禍がなくても、ネットは入所者にとって数少ない外部と連絡をとる手段でした。人は誰しも外の世界の誰かとつながって、動揺し、変化し、成長し、葛藤し、生きていくことができるのではないでしょうか。遠隔コミュニケーション手段のアクセス権利は、筋ジス病棟においては他者とつながる権利に等しいのです」

筋ジス病棟に入院している人たちをネットでつないで行われたシンポジウム(2018年12月京都市)
儂はまだ妻とはスマホ面会でつながっている。9月からは母のグループホームでは地元に住む家族だけがホームで10分ほど面会できるようになった。『孤絶』の人たちから比べたら恵まれていると感謝しなければならないだろう。確かにそうではあるが、だからと言ってそれで終わってしまったら、この記事を読んだ意味がない。
かくも壮絶な孤絶下で生きている人がいることを知ったからには知識として頭の片隅にしまいましたで終わらせてはいけないと思うのだ。儂らのような普通の人間にどうするのですかと問いかけられているのだ。すぐに何か出来なくても考えることは出来る。それがやがてはつながることになるのかなと思う。
コロナは多くの色々な人生を人々の前にさらけ出した。ある意味、コロナはつながるチャンスをくれた。そう思いたい。

コロナ禍の閑話休題。
儂の後輩で小さな会社を経営している男がいる。コロナで仕事が切れたが、去年も無収入なので持続化給付金の申請は諦めていた。だがその前年に収入があれば、特例で貰えることが分かった。但し、申告していなかったので税理士に書類を作ってもらわなければならない。でも、税理士には作成料を払わないといけないが、そのお金がなくてどうしようと悩んでいる。
その彼が相談したセンターでの話を聞かせてくれた。
会社を設立したものの三年間休眠していた男が持続化給付金200万を出せと目を血走らせて乗り込んで来て無理だと言うとマジ切れして怒り狂ったそうだ。そうかと思うと、秋葉原のメイド喫茶の女店員がコロナで店がお休みになった上に、店に通っていたパパから貰っていた御手当ても貰えなくなったので、100万円の持続化給付金が欲しいと相談に来たそうだ。
税理士と組んであくどいことをやっている連中は一杯いるそうだ。
コロナは人の本性も暴く。

特別給付金が支給されることが決まった時から、このお金は寄付しようと決めていた。儂はコロナで仕事がなくなったわけではないし、幼い子供を抱えて苦労しているわけでもない。身内がコロナに罹って大変な思いをした訳でもない。コロナと戦う医療従事者でもなければ、施設で献身的に働いている介護従事者でもない。犠牲的に働いている人たちや辛い思いをしている人たちが大勢いるのに、儂みたいに島根県の片田舎で、多少感染者が出たとはいえ、大過なかった男が10万円を個人的な楽しみに使うことにためらいを覚えていたのだ。勿論、10万円を消費にまわすことが社会にお金を回すことになり、小さなお店の経営を助けることになるのはわかっているのだが、どうせ使うなら意義のあることに使いたかったのである。だが、5月末に出雲市に申請書を送り返した時点でもまだどこへ寄付したものか迷いに迷って決まらなかった。寄付してあげたいと思う所が余りにも多すぎて。雇止めになった母子家庭の子が御飯が食べられなくなり、援助されたお米のご飯に久しぶりにありついて感激したなんて話を聞いたら、米ぐらいぐらいたらふく食ってくれと寄付したくなるではないか。医療を必要とする障害児の家族を支えている人たちの活動を知ったら支援したくなる。10万円を1万円ずつ10ヶ所に送ろうかなあなどと考えていて、ふと、一番身近な人間のことを忘れていることに気が付く。妻に何もしてやらなくていいのかと。妻もコロナの被害者である。マッサージも受けられず、儂みたいな男でも会えば気分転換にはなったろうにそれも出来ず、車椅子散歩も出来ず、この春は花見も出来なかった。何はさておき、妻にこそ何かしてやらなければならないと思ったのである。そして、その余った分を寄付に回しても許されるのではないかと。
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そこで取り寄せたのが『白いイチゴ』。この4月末から5月の間、儂は作ったイチゴを特養へ4回差入れした。内2回は妻と妻のユニットへ。後の1回ずつはお世話になっている事務室と看護室へ。だが、いくら気持ちを届けると言っても、素人の作った余り甘くもないイチゴに内心忸怩たる思いを抱いていたのだ。胸を張れるような甘いイチゴだったらそうは思はなかっただろうが。
儂は考えた。イチゴシーズンの最後は、飛び切り美味しく、珍しいイチゴで締めくくってやろうと。妻もユニットのお年寄りも白いイチゴは食べたことはないはずだ。きっと目を丸くしてくれるに違いない。結構いい値段がする。特別給付金でも出なければおいそれとは買えないイチゴである。2箱は妻と妻のユニットのお年寄りとスタッフへ。1箱は事務室と看護室にそれぞれ。6月1日に事務室に届けた。「遠慮せずに食べてください。特別給付金が出ますから」と断って。
ちょっと気分が晴れやかになって、心にも余裕が出来て、またふと思った。儂の為にも少しだけ使ってもいいのではないかと。そこで買ったのが、
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防草シートである。畑の通路に敷く雑草を抑えるためのシートである。いま隣の畑との間に敷いているシートが4年目でぼろぼろになってしまい敷き直す時期に来ていたのだ。安物を買ったので3年目からひどくいたんでいて今年は替えなければならなかったのである。これは20mあって10年持つ。シート押えのピン代をふくめても6000円はしなかった。これで妻の為にも自分の為にも使った。後顧の憂いなし。余ったお金は晴れて寄付に使える。
去年会ったSさんの顔が浮かぶ。
幼い時「キカイダー01」のファンだった方で、今はDPI(障害者インターナショナル)の事務局長をしている方である。この人と会った時の事はブログでも紹介した。実はこの後、このDPIの賛助会員になることを考えたのだが、会ってすぐ賛助会員になるのも何だか軽すぎる気がして躊躇っていたのだ。賛助会員になれば会報も送って来る。障害者問題だけではなく、差別や、国際的な条約などとても幅広くさまざまな分野で活動している組織である。会員になるからにはそれなりの覚悟もいると思っていたのだ。そうこうしている間にコロナ騒ぎとなり、母のグループホーム入所も重なり、賛助会員どころではなくなったのだが、ここへ来て、特別給付金も貰えることとなり、今こそ賛助会員になる時だと思ったのである。
と、いう訳で賛助会員になる訳だが、ここでSさんこと佐藤聡氏を紹介する新聞記事を転載する。いつか紹介しようと保存していた記事です。新潟の地方紙に載った記事だそうです。
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こういう記事を読むと人の顔が見えて来る。儂がこういう人が頑張っているところに寄付したいと思った気持ちも分かって頂けるかと思って紹介した次第です。

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