熊本の妻の実家が売れることになった。更地にしないと売れないと思い、あれこれ相みつを取ったり、熊本の知り合いに相談したりしていたのだが、売値は340万円なのに解体費用が200万円を超えることがわかる。売れたとしても儲けは140万円にもならない。しかもたとえ更地にしても「売れないよ」と地元の人に言われた。だからと言ってこれ以上放置しておいたらボロ家がいつ崩れるかも分からない。放置し続けて子供たちに後始末させることだけは絶対に避けたい。何としても儂の手で始末するしかない。売れないと分かっていても解体するしかない。そう決意した時、川尻の景観を保存する会からあの家を150万円で譲ってくれないかという話が来る。この会は川の港や米蔵などがあった古い昔の景観を蘇らせて寂れた町を再生させようと活動しているグループで、川尻のあちらこちらで古くて再生するにふさわしい建物をリニューアルして来た実績がある。妻の実家を検分し、大正時代に出来た料亭で、いい柱を使っているので再生リニューアルする価値があると認めてくれたのである。私は200万円出して解体するつもりだったから、一も二もなく申し出を受けることにした。何が嬉しいと言って妻の実家が消滅することなく生き残ることが嬉しかったのである。どのような家に再生されるか分からないが、柱や梁は残る。亡き義母や妻への婿として夫としての責任が果たせる。

1218日の契約に合わせて、17日に出雲を発つ。

ところが、朝6:49発の「特急スーパーおき」に乗るためには、6時頃にタクシーに迎えに来てもらわないといけないのだが、どこのタクシー会社も営業は8時からだと断られる。自家用車で出るしかないのだが2日半以上も駐車場に駐めていたらエライ駐車料金がかかる。しかも雪の予報。急遽、16日の夜にタクシーで駅前のホテルに行き泊まる。

17日の朝、予報では降るようなことを言ってたが大きく降ったのは鳥取の東部で島根は降らず。

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新山口行き「スーパーおき」は指定席1両、自由席1両の2両編成。数年前までは3両か、4両あったのだが。車内もがらがら。
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山口線の徳佐あたりは一面の雪景色。中国山地の西端なので山口県でもこの辺りは雪が積もる。
右は「みずほ」。博多を出たらがらがら。 

山陰線、山口線を走り、新山口から九州新幹線「みずほ」で熊本に着いたのが1157分。

鹿児島本線で熊本から二つ目の川尻へ。そこで、川尻の景観を保存する会につないでくれた知り合いと昼飯。
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川尻の蔵前うどん。ここも保存する会がリニューアルしたうどん屋さん。

看板に使っているのが川尻の川船を裏返したもの。店内は古い家の趣が残されている。 

昼食後、南区役所に案内してもらう。ここで川尻の家の固定資産税の評価証を再発行してもらう。それを明日の契約書を作る司法書士に届ける。

その後、実家へ行く。去年の11月末に来ているので約一年ぶり。去年あらかた整理しているが念のためにもう一度検める。知り合いがもしかしたら儂が熊本へ来るのは最後になるかもしれないからと近所に住む妻の二年後輩の家を教えてくれて、会いに行く。この人とは三十年以上も前に会ったことがあり妻の近況を知らせる。妻の実家にも来てくれて整理しながら色々とお話をする。そのご、その知り合いがもう一軒、妻の高校の同級生の家にも連れて行ってくれる。その人は十二、三年前に東京に見舞いにも来てくれた友人。ここでも小一時間妻の話をして別れる。

明日は午前中、契約。午後はお寺さんに来てもらって、仏壇の魂抜きの供養をして貰う。
駅前の東横インに泊まるがGOTOトラベルで五千何百円かが三千何百円かになり、1,000円の地域共通クーポンまでくれた。