4月の健康診断で便潜血反応があった。
2回のうちの1回に反応があったのだ。これまでにも、20年以上も昔、2回とも反応があったことが2年続けてあり、大腸検査をしたが異常はなかった。その後、ずっと長い間、反応はなかった。3年前の検査で今回同様2回の内1回に反応があったが、何かの間違いだろうと放っておいた。すると翌年の検査では反応なし。やっぱり何かの間違いだったんだと思う。そういう訳で今回もどうせたいしたことはあるまいとたかを食っていたら、先生(儂の膵臓の主治医)に「2回のうち1回反応があったら絶対に検査を受けなければなりません」と言われる。
もし、ポリープがあった場合、切除してクリップで血止めをする。その金属のクリップはすぐに取れて体外に排出されるのだが、なかなか取れなくて残っている場合がある。体内に金属があると、MRIで膵臓を撮影出来ないので、予定しているMRIの日取りにも関係してくると言うのだ。
話を聞いているうちに次第に嫌な予感がして来る。
検査日は母のグループホーム入所があったので延びて6月16日になった。いい加減な気持ちで受けてはいけないような気になり、真剣に取り組む。病院の売店に大腸検査を受ける人が前日の昼と夕に食べる食事セットを売っていたので、儂は前日と前々日と二日分を購入する。店員は「たまに二日分買われる方はいますよ」と言っていた。
時代は変わった。こんな検査用の食事セットを売っているなんて。昔、検査を受けた時とは雲泥の差である。
それでも念を入れて、儂は4日前、3日前から食事制限に入る。普段から肉や油物は取らないし、脂質制限の食事をしているから、これくらいのことは苦にならない。意外な所で役に立つ。
お陰で当日はがぶがぶ水?を飲んで、早い者順の競争になるのだが、4日前からの対策が功を奏し、ダントツのトップで一抜けし、一番で検査を受けることが出来た。
モニターを見ながら自分の腸内を見るのだが、当初の不安は次第に薄まる。儂の腸内、実に奇麗なのだ。うっとりとみとれるくらいすべすべしている。もうすぐ終わりだから頑張ってと女医さんの声。「やったね、もう楽勝だ」と、ニンマリした時、「あ、最後にポリープがありました。一番奥に」「ガ~ン」
しかも映し出されたポリープが儂の想像していたものとまるで違うのだ。儂はポリープは赤いふくらみがぽちっとあると聞いていたのが、こいつは赤黒く、ぶよぶよで、たとえて言うなら小さなホヤのような形状なのである。
ため息が出る。まともなポリープではない。こいつがガンでなかったら、何だと言うんだ。場所は小腸の一番奥、盲腸の入り口のすぐ上であった。その場で切除され、ポリープは病理検査に回される。
儂はその日は病院に一泊。
そして、今日7月7日の七夕が検査結果が出る日。大腸ガンの宣告を覚悟して行く。だって、この間、裏のMちゃんの奥さんに聞いたら、「赤いのが三つほどポチポチとあって、切り取って終わりよ。どうってことないわよ」と、言われていたのだ。誰に聞いても赤いのがポチポチ。儂のはどうみてもどうってことないようには思えない。
問題はステージが幾つなのか、転移はしているのか、ポリープは取ったのにまだ手術するのかしらんとか、ドキドキしながら診察室に入る。
「ああ、良性です」
思わず耳を疑う。「あんなにグロテスクだったのに」
先生曰く。「炎症性ポリープと言う珍しいポリープです」
と、いう訳で一件落着。
レントゲンで見たら、まだクリップが残っているので、すぐにはMRIは撮れそうもない。改めてレントゲンを撮ることになる。