今年は寒い。一昨夜は霜注意報が出ていた。去年はもう桜が咲いていたと思うのだが、まだ花の気配もない。
この冬は風邪をひいていないことに気がつき、ふと、三、四年前に腸感冒に罹ったことを思い出した。
腸感冒とは何ぞや?
もしかしたら、やはり三、四年前に「秘密のケンミンショー」を見ていて、知っている人がいるかも知れないが、説明する。
私もたまたま見ていたのだが、番組内で若いサラリーマン風が体調が悪くて「腸感冒に罹ったらしい」と言ったら、同僚が「君、島根県出身でしょう」と指摘するコーナーがあったのである。
解説するには、「島根県の医者だけが風邪を腸感冒と言う」と、言うことだったのである。
帰郷して間もない頃なので、本当かなと思って、親に聞いたら、確かにかかりつけの医者は腸感冒と診断すると言う。
畑先生にも確認したら、「あの先生は腸感冒先生だけん。なんでも腸感冒じゃ」と、言うではないか。
その後、私は風邪をひいて、先生に診てもらったら、「腸感冒」だと言われた。
私はその時不思議な事に妙に嬉しかった。
帰るなり、親に報告。「やったぜ、ついに俺も腸感冒になったぞ」
だが、症状はどうみても、普通の風邪なのである。なぜ、腸感冒と名付ける理由があるのかがさっぱり分からなかった。幸いすぐに治った。
断っておくが、この先生、私は名医と感謝している。父の大腸がんも先生のお陰で見つかって手術出来たし、妻が胆嚢の手術をした時も、検査結果を見て、すぐに電話して来て、紹介状を書いておくから医大へ行けと手を打ってくれた。
腸感冒に罹って以来、『なぜ、島根の医者は腸感冒と言うのか』と、聞きたいのだが、未だに聞けずにいる。先生はいつも忙しそうにしているから、なかなか聞くタイミングがないのだ。いつか暇そうな時に聞こうと思っている。分かったら報告します。