行きも帰りも天気が悪く、名峰伯耆大山(だいせん)の写真を撮影できず。
撮れたら、「国引き神話の綱を巻き付けた山です」と紹介するはずだったのだが。
帰りは大雨。しかも、夜。滅多に高速を走らない私は、本当はこんな天気では帰りたくなかったが、94歳の父を一人留守番させているので、どうしても帰らざるを得ず、母と母の妹を乗せ、まなじり決してハンドルを握る。間違えて高速を降りるへまをしでかしながらもなんとか戻る。
実は親戚の葬儀で大山の近くまで行った次第。
従兄弟たちには帰郷してから二回会っているが、長く話し合う時間はなかった。今回は葬式と言う忙しい中ではあったが、泊りだったので話す時間も出来た。
彼らも母のもう一人の妹の子で、男ばかりの三兄弟。
夏休みには母の実家に大阪から里帰りして来て、山口から帰って来た私たちと朝から晩まで、例の「お殿様が住んでいたんだよ」と言われた裏山の周りで、トンボや蝉や蝶を捕り、家の前の川で泳いだり、スイカを食ったり、花火をしたりした。
その長男は私より一つ下で、いつもつるんで遊んだ。
その彼も、実は妻の介護をしている。
私の妻と病いは違うが私より介護歴は長い。今回も妻は東京に残して帰郷していた。
「介護だけで人生終わりたくないからなあ」と言うと、彼もそう思うと言う。
子供の頃、仲良く遊んだ従兄弟同士が、何の因果か仲良く介護をしている。
お仲間なのだが、よくよく考えてみれば介護だけが特別なものではあるまい。
介護だけではない。人生には色々な問題がある。みんな、何かしら抱えている。介護プラスアルファもあるし。抱えていない人はいないだろう。そう思えば、みんな、お仲間なのだ。あなたも、私も、どちらさまも。一泊二日でそう思った。