娘の翻訳本をもっと早く届けるつもりだったが、夏風邪をこじらせ、お盆があったりで、今日になってようやく届けることが出来た。
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面会はいつもの玄関風除室でのガラス越し。いつまで続くのだろうか。
どこまで理解できたのかは分からないが喜んでくれる。もっと喜ばせたくて「すごいなあ、お母さんに似たのかな」と言うと、「お父さんです」と言う。昔は子供がいい成績とっても、走るのが早いのも、ピアノがうまいのも、全部自分に似ているのだと威張っていたのに、病気になってからである。「お父さんに似たの」と言うようになったのは。妻の中で妻にも分らない何かが変わってしまったのだろうと思う。妻がそう言うたびにちょっと寂しく思う。昔のように悪いところは全部儂に似ていて、いいところは何でも自分に似ていると得意げに鼻の穴を広げた顔が懐かしい。
今日は翻訳の出版のお祝いに缶ビール(ノンアル)を差し入れする。コロナ前だったら昼食の時間に乾杯できたのだが。
「ヒコーキを飛ばして」と言う。
「どこへ行くの?」と聞くと、娘のところへ行くと言う。
嬉しくて会いたくなったのだろう。おめでとうと言いたかったのかも。
すっきりした顔をしていたので「いい顔してるね」と言うと「昨日よく寝たの」
話すことが段々聞き取りにくくなり何度も聞き返したりすると話も進まなくなる。
「お父さん、会話になってないよ」
逆にやりこめられる。
「お父さん、優しくなったね」
これも病気になってから言うようになった言葉。これは確かに当たっている。本人も感じているのだろうと思う。
「〇ちゃん(娘)に電話して、お父さんのおうちにおいで」
お祝いをするつもりだったのだろうか。
「どうせお父さんのうち散らかってるでしょう」
すぐこういうことを言うので、「そんなことない、きれいにしている」と言うと
「信じてあげましょう」と言われてしまった。
次にビールの話をする。
「ビールを持ってきたから、本のお祝いに飲んでおくれ」
「生ビールですか」
ノンアルとは言えなかった。

語録(29)

2008.9.3

(夕方、昼寝から起きる時)

5時過ぎて主婦が寝てたらおかしいよ。早く起こせ」

2008.9.7

(夜、オムツを換えていたら)

「お父さん、年取ったね、しわだらけ」(おかしそうに笑う)

※たまにお父さんと呼ばれたら、年取ったと言われるパターン。

2008.9.8

「お父さん、パパと言われたことないけど、ママと言われてごらん。嬉しいから。ああ、ママになったんだって」

2008.9.18

「アーモンドチョコ買って来るから待っててね。あげるから」

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「私も〇〇(息子)や〇〇(娘)のためにがんばるの。手術くじけないよ。お父さん、手を握って」

と手を握る。

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「おれ、ヒロアキ兄ちゃんじゃないよ」

「じゃあ、お父さん」

2008.9.22

(箸でつまめず)

「見えてるんだけど箸でつかんだ感覚がしないの。いま変だったでしょう。ドーンと倒れてからおかしくなったの」

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「あれ、白川総裁(日銀総裁)でしょ」

「よく覚えてるね」

「総裁選の時、よく出た顔だから覚えてるの。貧乏くさい顔だなあ」
※総裁選は(?)だが、この頃はTVのニュースも見ていたし、少しは理解していた。今2021年はもはやTVは全然見ていないはず。

2008.9.28

(オムツを換えていると俺の手をさわるので)

「どうしたの?」

「ありがとう、お礼してるの。黄金の手」
※この頃は「黄金の手」と言うような言葉がすらっ出て来た。

2008.10.1

「お父さん、かこいいね。背広姿忘れちゃった。明日、ちゃんと着てね、みんなで記念撮影するから」

2008.10.2

「お父さん、何か知らないけど、私、時々死のうかと思うことあるよ」

2008.10.3

「生きてるって素敵だよ。私、死んだからわかるの」

「お前、死んだの」

「うん、死んだの」

2008.10.4
「お父さん、スーパーマンじゃないんだから、がんばっちゃだめよ」

2008.10.6

(消灯して出て行こうとしたら)

「お父さん、お話しましょ」

2008.10.8

「早くチョコレートもってこい。早くチョコレート。ごはん作ってやらないぞ。何べんでも言うぞ」


10月はここで終わり。この後、ショートステイに行ったのだと思う。